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soueggs’s diary

社会不適合者たちの駄文交換会

射幸心と僕

3号

やることがない休日は、ひがな一日ジャグラーを打っている。

ジャグラーというのは、いわゆるスロット台の一種だ。

1枚20円のコインを借り出し、3枚かける。

3つのボタンを押して絵柄を揃える。それの繰り返し。

余計な演出などはなく、盤面のランプが点灯すれば当たりというシンプルさがジャグラーの魅力だ。

 

 

押す、押す、押す。はずれ。

押す、押す、押す。はずれ。

押す、押す、押す。リプレイ。

押す、押す、押す。小役。

押す、押す、押す。はずれ。

押す、押す、押す。はずれ。

押す、押す、押す。はずれ。

 

ランプが光ると、7の絵柄を揃えることができる。

777が揃えば、BIG当たり。300枚超のコインが排出される。

77BARが揃うと、REG当たり。120枚ほどのコインが排出される。

 

 

押す、押す、押す。はずれ。

押す、押す、押す。はずれ。

押す、押す、押す。リプレイ。

押す、押す、押す。小役。

押す、押す、押す…ランプが光る。

慎重に7を揃える。BIG当たり。

扇情的で陳腐な音楽とともに、コインが排出される。

 

 

その光るランプを見るためだけに、僕はこの一連の動作を繰り返している。

一日に、多くて6000回ほど、繰り返す。

いい台に座れば、1日に60回前後はランプの点灯を見ることができた。

それが楽しくて、楽しくて、僕はボタンを押し続ける。

 

 

どう考えても正気の沙汰じゃない。

人間活動とは、もっと生産的なものではなかったか。

 

 

 

しかし、僕はその行為をやめない。

無意味な行動の反復は、やがて人の意識を低下させる。

何も考えずに、いや、何も考えられずに、ただボタンを押し続ける。

もともと空っぽの脳に、さらなる虚無を押し込む作業。

呪術に詳しい専門家は、その状態を「トランス」と呼ぶ。

 

 

押す、押す、押す。はずれ。

押す、押す、押す。はずれ。

押す、押す、押す。リプレイ。

押す、押す、押す。リプレイ。

押す、押す、押す。小役。

押す、押す、押す。はずれ。

押す、押す、押す。小役。

押す、押す、押す。リプレイ。

押す、押す、押す。はずれ。

押す、押す、押す。はずれ。

押す、押す、押す。はずれ。

押す、押す、押す。はずれ。

押す、押す、押す…

 

ペカッ!!!!

 

 

 

視覚と意識が揺さぶられ、突然現実に引き戻される。

紫がかったランプが点滅している。プレミア演出だ。

 

ふと隣の台を見ると、大学生くらいだろうか、煙草をくわえてスロットに興じていた青年と目が合った。

 

「うわ、ランプの点滅、初めて見ました。写メっていいですか?」

 

元来人懐っこい性格なのであろう彼は、僕に笑顔でそう告げる。彼が点滅するランプにスマホを向けた瞬間、僕は目撃した。少し緩めなTシャツの胸元から、かわいいかわいい、それはかわいらしいピンク色の乳首がのぞいていた。

 

 

ペカッ!!!!

ペカッ!!!!ペカペカペカッ!!!!

 

 

突然、僕の脳内に灯るGOGOランプ。

 

「この子の、この子のッ!

この子の、乳首を、押したいッッッ!

押して、ネジネジしたいッ!!」

 

トランス状態からの突然の乳首だ。僕がそう思ってしまったのは無理もないだろう。

 

 

押す、押す、押す。射精!

押す、押す、押す。射精!

押す、右乳首押す、右乳首押すッ!射精!

 

 

脳内で散々舐り倒したのち、螻蛄街道をゆっくりと僕は歩いていた。

 

 

 

【3号】